▽バックナンバー一覧  ▽vol.25   「郵政民営化法案 審議はじまる」  「郵政民営化法案一回目の質問」


■今月のトピックス1
郵政民営化法案 審議はじまる

 現在、衆議院では、郵政民営化法案について審議が行われています。この法案の質疑では、特別委員会が設置されました。私も特別委員会の委員に選ばれましたので、毎日、衆議院第一委員室にこもっています。テレビの中継がある場合には、後ろの方で私が座っている姿をご覧になるかもしれません。

 郵政民営化法案は、
vol.22(3月10日号)で申し上げたとおり、「小泉やったふり改革」の典型のような法案です。竹中平蔵郵政民営化担当大臣や小泉首相は、「官から民へ」「民間でできることは民間で」というスローガンをおっしゃいます。しかし、本当にその通りの制度設計になっているのか、特別委員会の審議で具体的な検証をすると、説得的な説明は小泉内閣の答弁からは聞こえてこないというのが現状です。

そもそも、郵政民営化が喫緊の課題であるのかと言えば、そうではありません。国民生活からは、年金をはじめとする社会保障をこれからどうして行くのかや、地域の経済をいかに活性化させて行くのかが重要であるはずです。私にとっては、これらの重要な課題を避けるための便法として郵政民営化法案が使われているとしか思えません。

しかし、各種マスコミでは、具体的な内容の検証はあまり行われていません。聞こえのよい「民営化」という言葉のプラスイメージによって、先入観があるのかも知れません。
 
 例えば、職員の身分についても、正確な報道はなされていません。郵政三事業は、現在、独立採算でまかなわれており、税金は使われていません。つまり、郵政公社の職員の身分は形式的に「公務員」となっていますが、税金から給料をもらっているわけではなく、売り上げから給料をもらっています。

そうすると、公社を株式会社化する意味は、現在、公務員が優遇されている年金について、国家公務員共済から厚生年金に移すことぐらいのものです。しかし、法案では、当面の間は国家公務員共済に残ることになっていて、いつ厚生年金に移行するのかは決まっていません。

 このように、郵政民営化法案は、挙げはじめればきりが無いほど問題の多い法案です。まだ審議ははじまったばかりですが、政府与党は、問題点を解決することもなく、このまま法案の成立を強行しようとしています。私たちは、この国の未来を左右するこの法案の廃案を求めて、取り組みを続けてまいります。

(衆議院議員 中村てつじ)
■今月のトピックス2
郵政民営化法案一回目の質問


 郵政民営化特別委員会で、6月7日(火)に質問をしました。当初は前日の予定だったのですが、その日の竹中大臣の答弁が問題になり、審議が止まってしまって翌日になったのでした。

 この日の質問は、民主党の方針を受けて、法案提出までの手続き的な問題点について指摘をしました。中央省庁等改革基本法33条1項6号の解釈で、過去の郵政大臣が答弁している内容と現在の政府が答弁している内容が食い違っている点について尋ねたところ、竹中担当大臣も、細田官房長官も、適切な答弁ができず、結局は、政府見解を後日出すと言うに止まりました。答弁ができなくなれば審議の前提が欠けるので、残念ながら質問をそこで打ち切りました。

 このほかにも、内容以前の手続き的な問題点は、日本郵政公社法24条〜27条で定める「中期経営計画」の4年の途中で民営化を強行することなどがあり、これから確認する必要があります。「この調子では、いつになったら内容の議論ができるのか」と思いました。

(衆議院議員 中村てつじ)
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