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■今月のトピックス1

「郵政民営化」は「やったふり改革」の典型

 私は、小泉政権がやろうとしている「郵政民営化」は、「やったふり改革」の典型であると考えています。この点について、2月22日の衆議院総務委員会で質疑を行いました。
 郵政民営化の経済的側面として、政府は、「経済の活性化」と「国民の利便性向上」という2つの目的を述べています。しかし、この目的は、それぞれ問題を含んでいます。

 「経済の活性化」については、政府は、民営化によって「官から民へ」とお金が流れるということを主張しています。
 しかし、2001年4月から「財投改革法」が施行され、郵便貯金(郵貯)や簡易保険(簡保)により集められたお金は、2008年3月末までに市場で運用されるようになっています。そして、財政投融資で使われるお金は、国債という債券の形により市場で調達されるようになっています。国債は、国の信用により元本が保証された債券なので、市場での需給関係により金利が高くなることはあっても、必ず市場で消化されます。むしろ問題なのは、国債の発行により、民間に資金が流れなくなるという現象が起きることなのです。(これを経済学的には、「クラウディングアウト」と言います。)
 つまり、郵貯や簡保の資金(約338兆円)を「官」に流さないようにするためには、国債の発行自体を押さえなくてはなりません。しかし、国債は、現実的には増え続けています。国債発行残高は、今年度(平成16年度)末で約613兆円です(うち財投分124兆円)。また、来年度(平成17年度)発行が予定されている国債は、借換債(103兆円)も含めて7兆円余り増えて、約170兆円に上ります。
 本来の意味で、「官から民へ」お金を流すのであれば、郵貯や簡保の規模自体を縮小すればいいはずです。そのためには、郵貯の預け入れ限度額を引き下げる政策が必要になります。そうすると、国として関与しやすい公社形態のほうが適切ということになります。
 このように見てくると、政府は、歳出改革ができないことから国民の目先をそらすために、「民営化」を唱えていると理解できます。

 「国民の利便性向上」については、郵政グループが「巨大独占企業」になるという危険性があります。麻生大臣は、「経営者次第だ」と答弁していましたが、郵便局のコンビニ化による(山間部の雑貨屋さんをつぶすような)民業圧迫や、郵便の持つ個人情報を活用したDM事業を行うという危険性は払拭されていません。

 引き続き、地に足が着いた冷静な議論を求めていこうと思います。

 (衆議院議員 中村てつじ)




■(裏面)
2005年民主党党員・サポーター募集

こちらをご覧ください(プレス民主号外vol.22 PDFファイル)



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