▽バックナンバー一覧  ▽vol.20   「2005年 新年を迎えて」   「心神喪失者等医療観察法に基づく「新施設」の問題」




■今月のトピックス1

2005年 新年を迎えて

【 昨年は参議院選挙 】
 昨年は7月に参議院選挙がありました。私が会長を務めている民主党奈良県連は、選挙区において前川きよしげ候補、比例区において前田たけし候補を擁立いたしました。無事、両名とも当選させていただくことができました。

 特に、一人区の奈良県選挙区において民主党系の候補が当選したのは、1998年の結党以降初めてのことでした。新しい政党である民主党に対する奈良県民の皆様の期待が、年を経るにつれて大きくなっていると実感しています。そして、その期待に民主党が応えるべき時期に入ってきているということも認識しています。


【 地方政治への取り組み 】
 今、私たち民主党のメンバーがあらためて認識していることは、この皆様の期待は、国政に対するものに限らないということです。昨年は、奈良市長選挙において、民主党が独自候補を擁立しなかったことが批判されました。私たち民主党とすれば国政選挙である参議院選挙に集中していたということなのですが、政治を変えたいと願う皆様のご理解はいただけませんでした。

 それは、逆から見れば、民主党が唱える地域主権や分権型国家の訴えが、主権者・有権者である皆様に届いてきたことの表れであると言うこともできると思います。つまり、有権者の皆様から「市民生活に直接かかわる地方政治においても、民主党として選択肢を示せ」というご指示をいただいているのだと理解しています。

 今年から来年初めにかけて、私の選挙区である奈良県第2区の三市・一町においても首長選挙が集中して行われます。今年の6月に大和郡山市、10月に天理市・斑鳩町、最後に、来年1月に生駒市です。民主党として、これまで以上に積極的に、これらの首長選挙に取り組んでまいります。


【 政権交代実現に向けて 】
 自民党・小泉政権の4年弱は「やったふり改革」でした。何十年たっても良くならない自民党の「政治とカネ」の問題。三位一体と言いながら、形だけに終わった地方への税財源移譲。若者が期待を持てない不透明な年金制度。食料自給率を下げ続けている農政。理屈の通らないイラクへの自衛隊派遣。特殊法人の会計の問題を温存し巨大独占企業を誕生させるだけ郵政の民営化。ここまでの流れを見ると、小泉政権も、形だけ整えてごまかしてきた典型的な「自民党政権」であったことが分かります。

 民主党は、今年を「政権交代実現に向け、たくましく成長する一年に」すると昨年末の党大会において確認しました。地域活動を強化し、各議員の後援会活動もさらに充実して参ります。私自身も、さらに皆様とともに活動する一年にして参ります。今年もよろしくお願いいたします。

(衆議院議員 中村てつじ)





■今月のトピックス2

心神喪失者等医療観察法に基づく「新施設」の問題


 宅間死刑囚による池田小学校事件をきっかけにして、2002年に国会に政府与党が提出し2003年に与党が強行採決した「心神喪失者等医療観察法」という法律があります。その新法に基づく新施設が、大和郡山市にある国立病院「松籟荘」に建設されることが決まりました。私は、法案審議の時から、この新法では第二の池田小事件を予防できないこと、このような新法は精神障害者に対する偏見や差別を助長することを理由に、新法そのものに反対してきました。池田小事件の予防のためには、起訴前の精神鑑定を充実させることと、他の医療・福祉から遅れている精神医療・精神福祉を拡充することしかありません。民主党の対案は、このような考え方を基にしていましたが、与党は民主党の対案に誠実に対応せず、強行採決をして新法を成立させてしまったわけです。

 そのときの私の懸念が、今、現実化しています。11月19日から3回にわたって、郡山の地元の皆様を対象とする説明会が行われました。しかし、そのいずれもが、住民の皆様の不安を取り除く内容にはなっていませんでした。これでは、地域で一生懸命に精神医療や精神福祉の活動をしてきた当事者や医療法人・社会福祉法人も困ります。私は、さらなる説明責任を国に求めながら、地域の当事者の皆様と協働して、この問題に引き続いて対応していきたいと考えています。

(衆議院議員 中村てつじ)



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