▽バックナンバー一覧  ▽vol.18 「電話加入権について」  「新たな役職」




■今月のトピックス1


電話加入権について

新聞で、「電話加入権がなくなる」という記事が出ています。現在は、皆様がNTTで電話を引くとき、「施設設置負担金」72,000円(+消費税)をお支払いになり、その代わり「電話加入権」という権利をお持ちになることになっています。その権利がなくなるという意味です。

ただ、その仕組みについては、新聞でもあまりきちんと報じられていません。私は、民主党の情報通信分野の政策担当者をしているので、詳しく調べました。その結果、驚くべきことが分かってきました。これは皆様にきちんとお伝えする必要があると思い、今号のテーマにしました。

結論から言えば、加入権自体がなくなるわけではなく「電話加入権の相場が、年末から年始にかけて、市場が先導する形でゼロ円に張りついて行く。施設設置負担金をNTTが廃止するかどうかに関わらず、電話加入権の価値がなくなっていく」ということです。それは、なぜか。

年末から年始にかけて、日本テレコム(ソフトバンク)とKDDIが固定電話の基本料サービスに参入するからです。このサービスは、NTTが設置しているドライカッパ(空き銅線)を利用したサービスであり、新規で電話を引く場合であっても「電話加入権」や「施設設置負担金」を必要としないのです。だから、基本料が安くなる日本テレコムやKDDIの新サービスに切り替えた人は、NTTの電話加入権が浮くので市場で売ろうとします。しかし、日本テレコムやKDDIの新サービスを利用すれば、加入権なしでタダで電話が引けるのですから、買い手はあまり多くないことになります。その結果、需給バランスが崩れ、市場価格はゼロに近くなっていくということなのです。

このドライカッパの開放ルール自体は、2000年12月から始まっており、昨年の10月からはその貸し出し料が大幅に値下げされました。理論的には、そのときから新サービスは可能になっていました。ただ、固定電話サービスは、IP電話の普及などで先細りが予測されているため、新規参入があるとは想定されていなかったようです。しかし、ソフトバンクの孫社長が基本料サービスに参入することを決めたため、このような事態になったようです。

さて、現時点で、消費者としてはどのように対応すると損をしないのか。
新しく電話をお引きになる場合には、@全てNTTに頼む場合には、施設設置負担金がかからない「ライトプラン」にする。(その代わり、月額640円が基本料に上乗せさせられる。)Aインターネットなどで電話加入権を購入して(加入権は現在1万円程度で購入できる)、NTTに頼む。B電力会社が提供している光ファイバーサービス(イオ・ホームファイバーなど)でIP電話を使う。C日本テレコムやKDDIの新サービスを待つ。――という4つの方法が考えられます。
また、電話加入権を持っている人は、できるだけ早く市場で処分した方がいいと思います。ただ、現時点でも、すでに買い取りを止めている業者が多いので、少し難しいとも思います。
以上のように、電話加入権の問題は、今後早い段階で結論が見えてくる問題だと言えます。このような状態になるまで放置してきた政府やNTTの責任が大きく問われ、社会問題化すると予想されます。これからも、このような情報を皆様に少しでも早く伝えていく責任を強く感じています。

衆議院議員 中村てつじ


※この件については、中村の発行するメールマガジンで更に詳しく扱っています。
⇒メールマガジン「国会からの手紙」
第211号第212号




■今月のトピックス2

新たな役職


第161回国会が始まり、民主党の新人事が決まりました。私は、今国会では、組織的な仕事では「副幹事長」、政策的な仕事では「「次の内閣」情報通信担当 総務総括副大臣」という役職を担当することになりました。

 「副幹事長」は、川端達男幹事長の下で、党運営に関する実務を担当しています。例えば、民主党の活動をアピールするために、党を代表して様々な団体に挨拶回りに行っています。 「総務総括副大臣」としての担当分野である情報通信は、これから多くの課題が待ち受けています。例えば、直近ではNTTの加入権廃止の問題や接続料の問題。テレビ関係では、依然として改善されないNHKの体質の問題。また、将来的には電波の再配分の問題などが控えています。

 国会では、これまで通り「総務委員会」に所属するとともに、今回は「政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会」にも所属することになりました。総務委員会は、郵政民営化問題のほか、公務員制度改革や三位一体改革なども扱っており、議題は目白押しです。また、特別委員会は、政治倫理や政治改革を扱っており、日歯連の疑惑に端を発した政治不信の問題がテーマになりそうです。いずれの問題も重要なものばかりですが、全力で取り組んでまいります。


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