2005年6月23日 第162回国会 衆議院 郵政民営化に関する特別委員会 |
案件:郵政民営化法案、日本郵政株式会社法案、郵便事業株式会社法案、郵便局株式会社法案、独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法案、郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案 |
[1]質疑内容 [2]質疑項目 [3]会議録抜粋 |
[1] 質疑内容(81分) 昨日(6月23日(木))の衆議院郵政民営化特別委員会は、冒頭、細田官房長官から折込チラシ不正契約問題への政府答弁が二転三転したことへの謝罪があり、それを受けて民主党は当日の質疑者を決定しました。 前日に「あるかも」とは聞いていましたが、その日の民主党3人目の質疑者としてその朝に選ばれました。それも、1時間半に及ぶ長時間の質疑です。 まず、竹中大臣の失言に対する謝罪を求め、また、スリード社が企画した「IQが低い層をターゲットにするラーニングプロモーション」に対する抗議を申し上げ、竹中大臣を質しました。http://www.tetsu-chan.com/05-0622yuusei_rijikai2.pdf その後、本題に入りました。郵政職員は、民営化後も国家公務員共済(年金)に入り続けます。いつ、どのような手続きで厚生年金に移行するのかという点をメインに質問をしました。 答弁は、どれも歯切れの悪いものばかりでした。法案提出までの準備不足は否めません。小泉政権のこのような無理なやり方は、国会審議としても悪い前例を作っているな、と残念に思いました。 (衆議院議員中村てつじ 〜2005年6月24日今週の一言より〜) >>細田官房長官発言要旨 PDFファイル25KB >>6月23日の理事会資料15ページ PDFファイル697KB >>民主党ホームページ(ニューストピックス)へ |
[2] 質疑項目 (1)政府広報としての新聞折込チラシ発注における随意契約の締結過程についての竹中大臣認識 (2)民営化会社職員の年金制度の国家公務員共済から厚生年金への移管について ア 移管に係る検討状況 イ 民営化法案の提出以前における厚生労働省への協議の有無 ウ 移管に要する期間が旧三公社と同様に長期間となる懸念 エ 移管金を検討する必要についての尾辻大臣所見 オ 移管について結論を出す時期及びその内容 カ 現在の公社職員に係る基礎年金の国庫負担部分の財源 キ 民営化により毎年 350億円の一般財源が必要となることの確認 ク 移管の検討における地方公務員共済及び総務省の扱い ケ 移管を検討することの重要性についての竹中大臣所見 (3)公社の中期経営計画について ア 中期経営計画の期間中に民営化法案を提出することの妥当性 イ 日本郵政公社法第 66条第3号(中期経営目標に係る業績評価を行う際の審議会等への諮問)の趣旨 ウ 中期経営計画の評価における民営化法案の位置付け エ 民営化についての公社総裁所見 |
[3] 会議録抜粋 ○中村(哲)委員 民主党・無所属クラブの中村哲治でございます。 私は、前回、六月七日に中央省庁等改革基本法三十三条一項六号について質疑を行いました。その点については、参考人質疑を要求しておりまして、それを待つ必要がありますので、今回は保留いたします。委員長におかれましては、参考人質疑のこと、また検討をお願いいたします。 ○二階委員長 参考人質疑につきましては、理事会で検討させていただきます。 ○中村(哲)委員 私は、きょうは前回積み残した質問、つまり、まず国家公務員共済から厚生年金に移るという問題、次に、公社法二十四条以下の中期経営計画の問題、それを済ませた上で私が温めてきた質問を行う、そういったつもりで本日おりました。しかし、二点、一昨日、昨日の審議の中で問題点になった点について質問を行います。 まず、一昨日の六月二十一日の岩國委員の質疑に対する答弁の問題でございます。 実は、六月二十一日の岩國委員、質問を最後打ち切っておられます。「まだまだ我々はこの民営化法案についてのたくさんの疑問がありますので、また次の機会に他の大臣にも質問させていただきたいと思います。」このように岩國委員は質問を終えられているんですね。 それに対して竹中大臣は、呼ばれてもいないのに、質問もされていないのに、勝手に手を挙げてこうおっしゃっているんです。「先ほど、これは預金保険料の料率〇・〇〇八三%と申し上げましたが、〇・〇〇八%ちょうどで計算しておりますので、訂正させていただきます。」このようにおっしゃっているんです。聞かれてもいないのに答えているわけですね。これは正しいんですね。 ○竹中国務大臣 中村委員御指摘のとおり、岩國委員の質疑の中で私が説明したくだり、数字の間違いがございましたので訂正しようと思いましたところ、時間が迫っていたということで、私の方で言い間違いがございました。 これにつきましては、〇・〇〇八三%ではなくて〇・〇〇八%と申し上げましたのは、それぞれ〇・〇八%、〇・〇八三%。もう一度最初から申し上げます。〇・〇〇八三%を〇・〇〇八%に訂正したいという趣旨を申し上げましたが、それぞれ〇・〇八三%、〇・〇八〇%の間違いでございます。おわびして訂正を申し上げます。 ○中村(哲)委員 何を動揺しているんですか。〇・〇〇八%というのは昭和五十七年度からの保険料率でしょう。あなた、プロなのにそんな間違えちゃだめじゃないですか。岩國委員は、それを聞いた瞬間に、竹中大臣は間違っているからただしたいと思ったんですよ。だけれども、時間がないからできなかったんです。 あなたが勝手に答弁しておいて間違って、それできょう私にこういった余分な時間をとらせてさらに訂正までさせて、今、訂正する。そんなことでいいんですか。何回間違っているんですか。何も訂正してくれとさっき言っていなかったのに、岩國委員は言っていなかったのにあなたが勝手に答弁したんでしょう。それについて岩國委員に対してきちっと謝罪をしてください。 ○竹中国務大臣 先ほど申し上げましたように、数字につきましておわびと訂正を岩國委員にさせていただきます。 ○中村(哲)委員 一事が万事こういった姿勢でいるから、なかなか竹中大臣がおっしゃることは私たちの頭の中に落ちていかないということなんですね。 それでは、もう一点指摘をさせていただきたいと思います。 昨日、当委員会の理事会に提出していただいた政府の資料は、十一時現在のもので五十六枚、そして後で、契約書が四枚ですか五枚ですか、出していただきました。この五十六枚については、私は自分のウエブサイトでもPDF化して公開させていただいておりますが、その七ページを見ていただきたいんです。 これは六ページ目に、二〇〇四年十二月十五日、有限会社スリードが出してきた「郵政民営化・合意形成コミュニケーション戦略(案)」というものがあります。その七ページ、次のページをめくっていただきまして、そこにターゲットとする層についての説明が書かれております。 先ほど馬淵委員も指摘させていただきましたけれども、ここにはこういうことが書いてある。IQという軸をつくっています。IQ軸、ハイ、ロー。ローのところにBのターゲットがある。「B層にフォーカスした、徹底したラーニングプロモーションが必要と考える。」お勉強が足りないから教えてあげましょう、このプロモーションが必要なんですよということを言っているんですね。そこのB層、小泉内閣支持基盤、主婦層アンド子供を中心、シルバー層、具体的なことはわからないが小泉総理のキャラクターを支持する層、内閣閣僚を支持する層、こんな失礼なことを書いているんです。 これが、竹中さんがつくられた「郵政民営化ってそうだったんだ通信」の企画書の中身なんです。あなたは、こうやって自分の写真がしっかり出て、「よろこんで!郵政民営化って、わたしたちの町と暮らしを元気にするそのためのもの。」そういうせりふが出てくる企画書が、国民をばかにした、B層をターゲットとしたもの、これを認識して、自分が出演しているこの折り込みチラシの出演に承諾しているわけでしょう。この企画案をあなたはどのように認識しているんですか。 ○竹中国務大臣 御指摘の資料は会社がつくった資料と思われますが、この資料について私が説明を受けたこともございません。IQ等々について話をしたこともございません。 広報そのものは、郵政民営化タスクフォースで検討が行われまして、主に大都市圏で購読者の多い全国紙での新聞広告、そして、サラリーマンや女性に向けた雑誌広告、若者を対象としたラジオCMや国民一般を対象としたインターネット・バナー広告とともに、地方で折り込みチラシの配布を行う、その広報のパッケージが事務方で提案されたというふうに承知をしております。 ○中村(哲)委員 私は、あなたの、その私は知りませんという態度はどうかと思いますよ。 次のページには、「波状的かつ累積的にラーニングを行う。」と書いてあるんですよ、IQの低い層には「波状的かつ累積的にラーニングを行う。」こんな失礼なことが。現場の担当者は認識しているわけです。 あなたは知らないと言うのならば、こういったスキームで、B層、IQが低い層にターゲットを示して、こういった企画を打っていくんですよということを、竹中大臣、あなた聞いていなかったということなんじゃないですか。現場からそういったこの企画案の趣旨なども、あなた、大臣として認識していなかったということですよ。そんなのでいいんですか。 あなたが出演する、それもあなたが郵政民営化の本質的なことを、それこそ一千五百万軒、都市部を外して田舎に投入する、そういったことを戦略的にやってつくっているペーパーでしょう。あなたにとっては非常に重要なペーパーなんですよ。そんなもの知らされていなかった、知らなかったでは済まないんです。知っていたんでしょう。知っていたけれども、知らなかったということにしているんでしょう。あなたみたいな頭のいい人だったら、そんなの把握しないはずないじゃないですか。 本当に知らなかったんですね。知らなかったと言ったら、大臣として部下のやっていることを把握できなかったということですよ。それでよろしいですね、知らなかったということで。 ○竹中国務大臣 御指摘の資料は会社がつくった資料と思われますが、事務方からそのような説明を受けたことはございません。 我々は、先ほど申し上げましたように、タスクフォースでのしっかりとした検討を踏まえ、さまざまな広報を行っているわけでございます。 ○中村(哲)委員 よくそんなこと言えますね。会社が提案したから、そんなものだから。そんな答弁でいいんですか。 皆さん、この提案書がすばらしいといって、独創的でほかの業者はいないからといって契約しているんでしょう。中身がしっかりわかっているということじゃないですか。それに共感して、業者の提案した内容に共感したから随契で結んでいるんでしょう。そんなこともきちんと答えられないで、何が大臣ですか。 知らぬのだったら、部下がやっていることに対してちゃんと把握できていなかったということじゃないですか。部下はきちんと、このIQが低い層に対して、ターゲットにする広告を打とう、それも共感して、随意契約をしようというところまで共感していたわけでしょう、この企画内容に。それについて責任を感じないのか。自分がどういうふうにこの企画案について把握すべきだったのか、その認識は全くないわけですか。 ○竹中国務大臣 会社がつくった資料につきまして、これは私が説明を受けたことはございません。 そして、事務方は事務方として、タスクフォースにおいて、先ほど申し上げましたように、主に大都市圏で購読者の多い全国紙での新聞広告、サラリーマンや女性に向けた雑誌広告、主に若者を対象としたラジオCM、国民一般を対象としたインターネット・バナー広告とともに、地方で折り込みチラシの配布を行う広報のパッケージが、これは事務方として提案をされたわけでございます。 ○中村(哲)委員 提案されて、それで結局採用したのは事務方なわけでしょう。じゃ、そのことを報告を受けているわけじゃないですか、あなたは出演しているんだから。 そんな認識でいいんですか。今の大臣の御答弁、きょうもマスコミの方がたくさんいらっしゃっていますけれども、国民の皆さんがインターネットの中継でも聞いて、ああ、竹中大臣、本当にいい、私たちにわかりやすい答弁しているわね、そういうふうに言ってもらっていると本当に実感されていますか。僕はちょっとその神経を疑いますね。 この話については、あなたの姿勢があらわれているということですから、よくよく国民の皆さんにこれからも見てもらったらいいんじゃないかなと思っております。 それでは次に、国家公務員共済から厚生年金への移管の問題についてお尋ねをいたします。 この論点については、六月三日の当委員会の質疑におきまして、仙谷委員、五十嵐委員、松野委員、それぞれがお尋ねになっております。その答弁が非常に不十分だ、私はそのように感じるわけですね。 例えば、松野委員に対する答弁。松野委員はこのようにおっしゃっています。「では、出してください、これを。いつ国共済から社会保険に加入を変えて、事業所の持ち出し分は幾ら変わって、そして幾らの変更が起こるのかというのを出してください、ちゃんと。こんな適当な試算じゃ話ができませんよ。」こういって、松野さんはもう思いっ切りおっしゃっているわけです。でも、竹中大臣は何とおっしゃるか。しゃあしゃあと、「委員がおっしゃるようなそういう詳細な積み上げのものを十年にわたって出すことは、これは不可能でございます。」ということをおっしゃっていて、骨格経営試算の問題にすりかえて答弁されているんです。私は、この問題、しっかりと議論しないといけないなと思っているんです。 きちんと答弁に基づく質疑をやっていかないといけないので、谷垣大臣の答弁から引いていきたいと思います。 五十嵐委員がこのようにお尋ねになっております。「公社の総裁、過去勤務分の積立金はどうなっているのかおわかりになりましたでしょうか。」生田総裁が御答弁された後で谷垣財務大臣はこのようにお答えになっております。「これは、先ほどのように、今はまだ共済でございますが、今後厚生年金に移行する、そのときに、その時点における双方の年金制度の財政状況等を踏まえて関係者間で調整をしていくということに、今までの例を踏まえましても、なると考えております。」とおっしゃっております。 では、谷垣財務大臣にお聞きいたします。こののときの関係者とはだれですか。 ○谷垣国務大臣 今、国共済に属しておりますから、もちろん国共済は関係者でございますが、同時に今度は民間になりますので厚生年金に移ります。したがいまして、厚生年金と国共済、これが主たる関係者になると思います。 ○中村(哲)委員 主たる関係者ということですから、そのほかには関係者はいらっしゃいませんか。 ○谷垣国務大臣 お答えいたします。 例えば厚生年金でございますと、新しい会社が厚生年金に関与するわけでございますから、当然それも関係してくるというふうに考えます。 ○中村(哲)委員 国共済というのは団体として一つの団体があるわけじゃないですよね。国共済の関係者というのはだれなんですか。また、厚生年金の関係者というのはだれなんですか。 ○谷垣国務大臣 それは国家公務員共済ですね。国家公務員共済、それが一つ団体をつくっておりますから、それが関係者として主体になるわけであります。 それから、厚生年金に関しては当然その厚生年金でございますが、あと、さっきおっしゃいましたように、現在は郵政公社でございますが、そのときには民間になっているということを前提にいたしますと、そこの労使といったものも当然関係者に含まれるだろうと思います。 〔委員長退席、石破委員長代理着席〕 ○中村(哲)委員 確認いたしますが、国共済の関係者、厚生年金の関係者、それから民間になっている会社の労使、それだけですね。つまり、国家公務員共済の場合は国家公務員共済組合連合会が交渉の担当者になるということですね。 ○谷垣国務大臣 主たる関係者は以上だろうと思います。あと、いろいろこれは制度を詰めていきますと、もちろんいろいろな問題点が出てくるだろうと思います。したがいまして、全部を今網羅するわけにはいきませんが、主要なプレーヤーはさっき申し上げたようなところであろうと思っております。 ○中村(哲)委員 いや、それなら財務省と厚生労働省はかかわらないということですね。 ○谷垣国務大臣 もちろん、国家公務員共済を主管しておりますのは財務省でございますし、厚生年金に関しては厚生労働省がその主管官庁でございますから、それぞれの関係で関与するというふうに考えます。 ○中村(哲)委員 関与するというのはどういうことですか。関係者ではないけれども関与するということですか。協議の場には来ないけれども、後ろで国共済等のコントロールは行う、そういう意味ですか。 ○谷垣国務大臣 それはいろいろな、制度もそのときあるいは考えなければいけないかもしれません、また財政調整も必要だろうと思います。したがいまして、直接の当事者がどういうふうになるかはまだ十分詰まってはいないわけでございますが、当然、財政調整等をするとなりますと、役所もそれぞれ前に出て考えなきゃならない面があろうかと思います。 ○中村(哲)委員 私は、初めからそのようなことを答弁いただきたいわけですよ。だから、国共済の関係者というのはどういう方がいらっしゃるんですか、厚生年金の関係者というのはどのような方がいらっしゃるんですかということを私もお聞きしておかないと、このスキームについて議論ができないからです。 では、今、確認いたしますけれども、財務省、厚生労働省、国家公務員共済、厚生年金、それから民間になっている会社の労使、大きく分けてこの五者が関係者ですね。 ○谷垣国務大臣 そういうことだろうと思います。 ○中村(哲)委員 先ほど答弁を引きましたけれども、もう一度引かせていただきます。「これは、先ほどのように、今はまだ共済でございますが、今後厚生年金に移行する、そのときに、その時点における」と。そのときということなんですけれども、そのときというのはいつなんでしょうか。つまり、いつこの移行をするのか、その移行についてどのような手続でこれから進めようとしているのか、お考えをお答えください。 ○谷垣国務大臣 民営化いたしますと、国家公務員から民間に身分が移転いたしますので、厚生年金に移るということが基本的な考えでありますが、その間にいろいろ調整する必要があろうかと思います。 調整することが必要な項目を申し上げますと、具体的に申しますと、過去の共済組合期間の取り扱い、つまり移行先の加入期間とみなすかどうかといったような問題ですね。それから支給要件、年金額算定の経過措置。それから既裁定年金の取り扱い、これを国共済で支給するかあるいは移行先で支給するか。それから移換金の算定方法、有限均衡方式のもとで算定方法をどうするか。それから共済独自給付部分の取り扱い。それから地共済との財政調整の検証というようなことがあろうかと思います。それから、移行後の企業年金の設計をどうしていくか、確定拠出年金あるいは確定給付企業年金等の設計のあり方ですね。それから、健康保険制度において健康保険組合を設けるかといったような問題があろうかと思います。これらは旧三公社が厚生年金に移行したときの例も参考といたしまして、およそこういうことが検討項目になってくるだろうと思います。 ただ、今、具体的な時期とおっしゃいましたけれども、具体的な時期は、いまだそこは決まっておりませんで、前回のときも御答弁を申しましたけれども、NTTないしはJT等、今まで三公社が民営化したときの例を考えますと、十年近く、あるいは十年以上歳月がかかっておりますので、おおむねそういうことを想定しながら、これから今のような問題を詰めていかなければならないということだろうと考えております。 ○中村(哲)委員 私は、十年ぐらい過去かかったから、だからこれは事前にある程度は話をしておかないといけないと思うんですよ。というのは、事前に、やらないのかということも含めて関係者で一回議論していく必要があるんではないか、そういうふうに思うんです。 ここで、わざわざ厚生労働大臣に出てきていただきましたから、お尋ねをいたしますけれども、今回、郵政民営化法案が提出される以前に、この年金の移管の問題について、それこそ関係者である財務大臣から、また竹中郵政民営化担当大臣から御相談を受けて、これはもう後に延ばしましょうね、そういう御相談、協議はなされたんでしょうか。 ○尾辻国務大臣 協議はいたしておりません。 ○中村(哲)委員 これは大変なことですよ。去年、年金一元化でこれだけ国会で問題になって、年金法の改悪だということでこれだけ問題になって、そして年金のことが今回民営化法案では本当に問題になる、そのこともわかっていながら、厚生年金、受け入れていただく方の所管をしている厚生労働大臣に協議もなしでこんな法案を出してきたんですか。竹中大臣、あなた、責任感じていらっしゃいませんか。 ○渡辺政府参考人 事務的な話でございますので、私から答弁させていただきます。(発言する者あり) ○石破委員長代理 委員長が指名しておりますので。 ○渡辺政府参考人 事務上の調整の問題として話し合いはさせていただいております。 ○中村(哲)委員 協議はしているということですか。 ○渡辺政府参考人 法律案作成をしていく上での大きな課題でありますので、事務的にその種の調整といいますか、協議、検討は、課題としてのせて、やりました。 ○中村(哲)委員 厚生労働省のだれと協議されているんですか。(発言する者あり)速記をとめてくださいよ。 ○石破委員長代理 速記をちょっととめてください。 〔速記中止〕 ○石破委員長代理 では、速記を起こしてください。 竹中国務大臣。 ○竹中国務大臣 郵政民営化の基本方針というのを昨年九月十日に閣議決定しておりますが、その中で、待遇のあり方について制度設計の中で工夫するというふうにしております。職員の待遇について不利益が生じないように配慮するというその方向性について、これは閣議で決定しておりますから、政府全体で話し合って決めているということでございます。 厚生年金へ移行する場合には、公的年金制度の安定性、公平性が確保されるよう、具体的な移行の方法等について関係者の意見を踏まえた十分な検討が不可欠であるというふうに思っております。 方向につきまして、これは法案を作成するに当たりまして、これも各省と協議しているわけでございますから、そういった方向性について協議を事務的にはしているということでございます。 ○中村(哲)委員 私がわからないのは、協議というのは事務的にやられるものでしょう。まず事務が協議しなければ、大臣同士が話をするということはあり得ないわけですから。協議というのは、事務的レベルのことも含めて通常言うんですよ。 尾辻大臣、答弁を修正されますか。 ○尾辻国務大臣 この法律を出すに当たって省庁間の協議というのは当然あるわけでございますから、時間をかけて協議するということは協議をしたと。ですから、そういう意味では協議があったということですが。 先ほど先生がお尋ねになったのは、十年から十二年かかったというような、いわば移換金をどうするかというような部分の協議と私は理解しましたので、そういうことの協議はまだいたしておりませんということで、協議いたしておりませんとお答え申し上げたところでございます。 ○中村(哲)委員 やはり具体的なことはしていないんですね。だから、そのことに関して、私はよく知らないけれども、登録もしていないような政府参考人がここに来て答弁するというのはおかしいんですよ。 私は、具体的なことも含めて厚生労働大臣に協議を持ちかけて、ある程度やはり話をして、でも、ちょっと難しいですね、そういったことで先に延ばしましょうかというような、より具体的な協議があればまだわかるけれども、そのことはないと厚生労働大臣は今おっしゃいました。 そんな十年もかかったようなことをまたもう一回繰り返すのかということが今問われているわけですよ。NTTやJTやJRの轍をもう一回踏むのかということが問われているわけでしょう。だから、民営化するときにはきちんと議論をして、きちっと整理をして、そういうふうなスキームをきちっとつくろうというのがあるべき姿じゃないですか。二十年前の改革と同じことをもう一回やるんですか。二十年間、政府は進歩がなかったということじゃないですか。 だから、私は竹中大臣の責任を問うているんですよ。これでよかったと思っているんですかと申し上げているんです。もう責任はないとおっしゃるんですか。 ○竹中国務大臣 中村委員の御指摘は、確かに、過去の民営化の例を踏まえて十分に対応していかなければいけない、それはもうそのとおりであろうかと思います。 旧三公社共済の厚生年金への統合に当たっては、当時とられていた考え方に基づいて、統合前の旧三公社共済組合員の期間に係る給付現価のうち給付確定部分に相当する資金を移換することとして、所要の移換金額を積立金が下回っていたJT、JRの共済については、その不足分を会社等が負担すること等の措置が当時はとられたわけでございます。 一方で、現在の共済年金と厚生年金の積立金の財政状況に大きな差は見られないというふうに思っております。したがって、積立金の状況の違いによって厚生年金に移行する際に同様の問題が生じるというふうには考えていないわけでございます。 しかし、いずれにしても、厚生年金に移行する場合の具体的な移行のスキームについては、その時点における双方の年金制度の財政状況等を踏まえて、関係者間で妥当と考えられる移行の方法について十分協議の上検討をしていくことになるというふうに思っております。 その趣旨を財務大臣も先ほど御答弁されたんだと思います。 ○中村(哲)委員 今の答弁を前提にすると、JTやJRやNTTの場合は差があったから移換金を持っていかぬとあかんかったんだ、今回は移換金を持っていくほど差はないから今は検討しなくていい、そういう御趣旨ですね。 何%違うんですか。 ○竹中国務大臣 ちょっと今の最後のところがよく聞こえなかったのでございますが、基本的には今申し上げたような認識のもとでその方向性を確認しておりまして、具体的な移行について今後具体的な協議をしていくわけでございます。 ちょっと済みません、最後のところの質問がよく聞こえませんでした。 ○中村(哲)委員 国共済と厚生年金で退職者の割合、現役の割合等がほとんど変わらないから、移換金については余り考えなくていいんだ、そういう御趣旨の発言でしたよね。だから私は、何%違うんですか、そのことをお聞きしたわけです。 ○竹中国務大臣 給付現価総額、国庫負担除きでございますけれども、それに対する積立金額の割合、これは平成十一年財政再計算ベースでございますが、厚生年金は九・〇%、国共済は九・五%であるというふうに承知をしております。 ○中村(哲)委員 指標としてあるのはその九%前後の数字だけですか。現役世代が年金受給世代とどういう割合にあるとか、そういう数字は一緒なんですか。 ○竹中国務大臣 ちょっと手元に細かい数字を持っておりません。 ○中村(哲)委員 ということは、わからないけれども近いだろうということですか。 それでは、ちょっと厚生労働大臣、突然で聞いていただけるかわかりませんけれども、国家公務員共済から厚生年金に移る、そういったときに、ほぼ移換金というのはない、なくてもいい、そういうふうな認識をされているのか、それとも、やはりかなり大変な作業がこれから待っているとお思いになるのか、どちらでしょうか。 ○尾辻国務大臣 これも今後の議論になる部分でございますから、私が今ここでお答え申し上げるというのはできるだけ避けておいた方がいいんだろうとは思いますけれども、今の移換金のことについては、これは当然十分議論になる部分であるというふうに考えております。 ○中村(哲)委員 今厚生労働大臣は苦しい中御答弁をいただいたと思うんですけれども、本当はこういった問題についてしっかりと議論しないといけないんです。 竹中大臣、いつもあなたは三公社の民営化のときと同じように考えていきますということをおっしゃっていますけれども、三公社のときと同じように処理できますか。当時と制度は変わっていないですか。 ○竹中国務大臣 私が同じようにと言うのは、そこで働いている方々の立場から見て不利が生じないように同じように考えていく、時間をかけて、従業員が不利にならないように考えていくという趣旨で御答弁をさせていただいておりますが、中村委員御指摘のとおり、そのときに財政上の問題が生じないのかというのは、それは確かにそれで大変重要な問題だと我々も認識をしております。 積み立て不足の問題が生じるのは、過去期間分の給付現価に相当する積立金を保有することが必要とされる積立方式のもとにおいてでございます。我が国の公的年金制度は、共済年金及び厚生年金の双方の制度とも積立方式ではありません。世代間扶養の考え方による賦課方式を基本としているため、その意味では、積み立て不足の問題というのは一般的には生じないということだと認識をしております。 ちなみに、賦課方式同士の年金制度の統合においても、互いの財政状況に応じた調整は必要となりますが、現在の国家公務員共済と厚生年金の積立金の財政状況に大きな違いは見られないと考えておりますので、積立金の状況の違いが厚生年金に移行する際に困難な問題になるというふうには考えてはいないわけでございます。 しかし、いずれにしても、厚生年金へ移行する場合の具体的な方法については、その時点における双方の年金制度の財政状況等を踏まえて、また、これは関係者間で妥当と考えられる移行方法について検討していくことと承知をしておりますので、これは本当によく話し合って協議をしていかなければいけない問題であるというふうには認識をしております。 ○中村(哲)委員 あなたがおっしゃった内容というのは、三公社のときと違うということをおっしゃっているんですよ。 三公社のときは積立方式だったわけでしょう。だから、過去期間分の給付確定部分は積立金としてもらいますよ、それで、それが足りない部分が出てきたから、JTの場合は会社の負担金が五百八十七億円、JRの会社においては千六百八十二億円、国鉄清算事業団は七千六百九十四億円積んだわけですよね。NTTは十分に積立金があったものですから、その部分を、結局、NTTができた後の厚生年金基金に積んでいる、そういうことができているわけですね。 それは、だから、あなたがおっしゃるように積立方式のときだからなんですよ。今回は賦課方式でしょう。賦課方式のときにどういうふうに移行するのかということに関して、あなたは、それはほとんど財政的に違いがないから問題はないということをおっしゃっているんですよ。だけれども、先ほど厚生労働大臣は、かなりの作業が必要になるという旨の発言をされているわけです。そこはどうなんですか。あなた、全然考えていないじゃないですか。そこをどうされるおつもりですか。移換金はもう全く要らないというお考えなんですか。 どういうふうな、どういうスケジュールで。三公社のときの十年、これは長過ぎますよね。株を処分していくときにおいても、この年金のスキームがどうなるかということでリスクは変わってくるわけです、その会社の。その会社のリスクをいかに低くするかということにおいても、年金制度をきちんと整理しないといけないわけですよ。 三公社じゃない今の制度を前提として、いつまでにどのような形でこの年金の統合について結論を出していかれるおつもりなんでしょうか。 ○竹中国務大臣 今中村委員御指摘くださいましたように、これは先ほどの私の答弁どおりでございますけれども、いわゆる賦課方式のもとで、その財政の調整に大きな困難が生じるというふうには思っていないわけでございますが、我々としては、まず組合員の安定という観点から、当面今の待遇が揺らがないようにしようという観点から、時間をかけて、どんな問題があるかということを検討していこうというふうにしているわけでございます。 JR、NTT、それぞれの問題があったと承知をしております。今回の問題に関しましても、これは大変複雑な年金制度でございますから、そこは関係者でよく実際に詰めて、あくまでも職員に不利が及ばないように必要な時間はかけてじっくりやっていこう、具体的な関係者間でのスキーム検討や利害調整にはやはり一定の時間を要するというふうに思われますけれども、こうした検討、調整が整った段階でこれは速やかに進められるべきものであるというふうに考えております。 今、枠組みの議論をしておりますが、枠組みの議論が整えば、やはりそういう設計をぜひきちっと協議していきたいと思っております。 ○中村(哲)委員 いや、私が聞いているのは、いつまでにやるのかということなんですよ。そのターゲットの設定はしないんですか。 ○谷垣国務大臣 ターゲットを特に今まだ設定ができているわけではありませんし、また、もう少し検討が必要だろうと思います。 ただ、先ほど申しましたように、委員は十年、十二年というのは非常に長いじゃないかというふうにおっしゃいました。確かに長い期間でございますが、一番考えなければならないのは、それぞれ生活の保障でございますから、老後なり引退後の保障でございますから、雇用者といいますか加入者の身分関係がいかにして安定的に推移していくかという観点が私は一番必要なんだろうと思います。 それで、先ほど竹中大臣も御答弁されたことでありますが、三公社のときに比べると確かに楽な点もございます。それは、三公社のときには特に国鉄が顕著でございましたが、かつて、例えば満鉄からの引揚者などをたくさん持って、先輩がたくさんおられる、したがって、年金として経営基盤といいますか財政基盤が大変弱かった、それをどう調整していくかというのに相当問題がございましたけれども、今回はそれほどの差がないということをさっき竹中大臣もおっしゃいまして、前よりもやりやすい面はあろうかと思います。 しかしながら、大きな制度でございますから、やはりその調整には時間をかけて、遺漏のないようにしなければならないというのが今の考え方でございます。 〔石破委員長代理退席、委員長着席〕 ○中村(哲)委員 実は、その移管の問題について配慮しなくちゃいけない労働者の側というのは何も公社、郵政事業を行っておられる方だけではないんですよ。公務員の皆さんもそれは対象になるんです。あなたがおっしゃっているのは、郵政の職員だけ注目しているような言い方じゃないですか。だから、両方の労働者にとって納得できるようなスキームをつくらないといけないから大変な作業が要るんじゃないですか。そのことを厚生労働大臣はおっしゃっているんでしょう。 だから、私は厚生労働大臣にお聞きしたいんですが、竹中さんがそんなに大した調整は要らないだろうとおっしゃっているんですけれども、それに対してはそのとおりかどうか、率直にお考えをお聞かせいただきたいと思います。 ○谷垣国務大臣 今中村委員が公務員ということでおっしゃいまして、国共済は私の方の担当でございますから申し上げますと、国共済の組合員のうち、組合員といいますか加入者のうち、現組合員は二五・四%が郵政関係者でございます。それから、もう受給をしている人の割合が二六・三%が郵政でございまして、若干受給している人の割合の方が多うございますけれども、そんなに大きな差があるわけではありません。 これがかつての国鉄なんかのときとの大きな違いでございますので、もちろん問題は確かに真剣に、慎重に検討しなければなりませんけれども、かつてと比べると問題は少ないと考えております。 ○尾辻国務大臣 前の三公社のときには、先ほど先生も五つという関係者をお述べになりましたが、ああした関係者で一元化懇談会というのをつくって、そしてやりました。十年から十二年かかったのは事実でございます。 今回、ではそれと比べてどうなるかということでございますが、いろいろ各大臣からお答えがありますように、楽になる部分と、しかしまたかえって今度の方が、ややこしいと言ったらどうでしょうか、とにかく問題が複雑な面がございます。基本的に、三公社のときには、それぞれの主体がなくなりますから、保険者が完全に消滅をしてしまいます。したがって、賦課方式でいっても、支える方もなくなるわけでありますから、そういう事情があってどうするのという議論をしたわけでございます。 今度の場合は、国共済は依然として残りますから。抜けるんですが、保険者はまだ残っております。残った状態で移ってくるということになるとまたどうするのという、これは改めての、前回とは違う議論が出てくるところもありますので、率直に申し上げると、随分時間のかかる協議が必要だというふうに思っております。 ○中村(哲)委員 今の厚生労働大臣の御答弁を、竹中大臣、谷垣大臣、お聞きになりましたか。非常に手間がかかるんですよ。 次の論点に行く前に、生田総裁にせっかく来ていただきましたからお答えいただきたいんですけれども、今、皆さんが会社として国共済をある部分支えていらっしゃいます。基礎年金のいわゆる国庫負担の財源、これは一般財源から入っていますか、それとも、皆さんが汗水垂らして働いた売り上げの中から出されていますか、どちらでしょうか。 ○生田参考人 お答え申し上げます。 平成十五年度の実例で申し上げた方がわかりやすいと思うんですが、年金給付にかかわる共済組合負担金は全部で三千五十七億円だったわけであります。負担の状況でございますが、政府負担が三百五十億なんですが、これは公社が支払っております。国のかわりに公社が支払っております。それから、事業主として公社が二千六百九十九億円ということでございまして、さらに事務費として公社が八億円、こういうふうな分担になっております。 ○中村(哲)委員 今生田総裁がおっしゃったことを本当に私たちは肝に銘じないといけないと思いますよ。今おっしゃった三百五十億円分、これは本来一般財源から入る部分を、公社の皆さんが汗水垂らして働いた売り上げの中から今は出されているわけですよ。これが民営化されたら、この三百五十億円分、一般財源から出るようになるんじゃないですか、竹中大臣。 ○竹中国務大臣 これは、民営化でございますから、民間企業として税金は御負担をいただく、一方で、公負担のものは政府が負担する、そのような民間と同じ仕組みに変わっていくわけでございます。 ○中村(哲)委員 竹中大臣、あなたはいつも、見えざる国民負担ということばかり言っているんですよ。だけれども、これはどうですか。民営化した途端に一般財源から三百五十億円、今までは行っていなかった分が必要になるわけじゃないですか。これはマイナスの見えざる国民負担、つまり、郵政公社が郵政公社であるがために、一生懸命自分たちの働いた汗で国庫の支出を減らしていただいているんじゃないですか。そのことをあなたはなぜ言わないんですか。フェアにいくんだったら、こういった公社が国の財政を支えている面についても言うべきじゃないですか。あなたは、何でこの問題については全く指摘されないんですか。 ○竹中国務大臣 今御指摘になられた点は、経済財政諮問会議でも麻生大臣が非常に明確に主張されて、諮問会議として、これは見えない国民負担もあるけれども見えない公社負担もある、そういうことをきっちりと議論していこうということで、これは諮問会議でずっとそのような認識でございます。そうしたものについて、したがって、どのぐらい大きいかということについては、これはやはりしっかりと、数字がひとり歩きするような議論をしてはいけない、そのような議論、これは諮問会議で我々ずっとしてきたところでございます。 したがって、私たちが外に説明する場合も、この見えない国民負担というのはいろいろな考え方があるから、一概にそれは幾らだということを言ってはいけないんだということも含めて、明確に説明をしてきているところでございます。 ○中村(哲)委員 いや、残念ながらしていないですよ、そんなの。あなたは、したつもりになっているんです。 三百五十億円これから一般財源で要るようになるんですね、毎年毎年税金の負担がふえるんだということですね。 ○竹中国務大臣 民間と同じようになりますので、そういうことになります。 ○中村(哲)委員 こういうのも民営化の影の部分なんですよ。それをしっかりと説明しなければ、光の部分ばかり印象に残す、国民の印象に残すということになるわけですよ。 さっきの、B層に対してアプローチする、ラーニングプロモーションですか、あなたがやっていることはそんなことばかりじゃないですか。 先ほどの尾辻大臣の答弁に戻ります。 つまり、先ほど谷垣財務大臣は、プレーヤーとしては、先ほど私が申し上げた五者だ、財務省、厚生労働省、国共済、厚生年金それで会社関係の労使だと。 昨年の年金制度の改悪によって、国共済と地共済、いわゆる国家公務員共済と地方公務員共済の財政単位が一元化されました。こういった表で当時も議論された内容であります。それで、皆さん、これは御存じないかもしれませんけれども、こういったグラフがあるのを議員の皆さん御存じでしょうか。国共済と地共済が財政単位一元化したら、得をするのは国家公務員ですか、地方公務員ですか。国家公務員じゃないですか。それで、今度、厚生年金に郵貯の部分を出したら、さらにこれはどうなるんですか。 実は、この財政単位の一元化によって、移管の問題が決まらなかった影響を受けるのは国家公務員だけじゃないんですよ。谷垣財務大臣、先ほど長々した答弁の中に地共済との調整というのを一言入れておりましたけれども、実はそれは本当はすごく大事なんですよ。本来ならプレーヤーは、地共済と地共済を担当する総務省もプレーヤーとして僕は参加しないといけないと思うんです。麻生大臣、この点についてどのようにお考えでしょうか。 ○麻生国務大臣 国共済と地共済、いずれもえらく大事な問題でありまして、この件につきましては、何もこの郵便とか郵政にかかわらず、非常に大きな問題としていろいろこれまでも谷垣大臣とも、また事務レベルでもこれだけ協議をしてきて、一年数カ月やってきたと思いますが、これはなかなか数としては難しい。数の方は地方の方が圧倒的に多いんですが、平均年齢やら何やらは、学歴は地方の方が高い、学歴は地方の方が高いんですよ。平均年齢も地方の方が高いという前提を踏まえた上で計算しないと、これは一元化なんといったって、ベースが違いますので、なかなか簡単にいかぬ問題だ、正直なところ言ってなかなか難しいなと思いながらもやらせていただいております。 ○中村(哲)委員 だからこそ、私は麻生大臣に聞いているんです。先ほど、移行のときのプレーヤーは、総務省は外されているんですよ。だけれども、この移行によって、総務省、非常に……(発言する者あり)私、間違ったこと言っていないと思いますよ。財政単位の一元化というのはすごく大変だったんでしょう、総務省と財務省で。私、伊藤大臣に苦笑いされるようなことじゃないと思いますよ。(発言する者あり)ちょっと、やはり真剣に議論をしてください。 それで、改めて麻生大臣にもう一度お聞きいたしますが、やはり私は、この移管の問題に対する関係者、その中には総務省と地共済が入らないといけないと思いますが、いかがですか。 ○麻生国務大臣 当然のこととして、谷垣大臣が意図的に落とされたという話ではないのであって、いろいろ関係者が多いという話の中の一つにたまたま落ちただけの話で、この話を抜きに語れないぐらいは御本人もよくわかっておられますし、財務省、総務省、双方ともよくわかった上でやらせていただいております。 ○中村(哲)委員 麻生大臣はやはり心が広いですね。 谷垣財務大臣、あなたに、私、だから念を押して聞いたでしょう、五つのプレーヤーですねと。あなたの答弁を前提としたら、私たちが代表者となって協議には行きますけれども、後で総務省とそのことについて、こうなりましたと報告したらいいんですというような答弁だったわけですよ。修正されますか、五つから七つに変えられますか。 ○谷垣国務大臣 先ほども主たるプレーヤーはというような表現で申し上げたつもりでございます。それから、財政調整等が必要になってくる場合にはということも申し上げたと思います。長々とした中にちょっとだけとおっしゃいましたけれども、実は頭の中に地共済との調整というのは当然あったわけでございまして、総務省とはよく調整をしなければいけないことだと思っております。 ○中村(哲)委員 だから、私が確認させていただいているのは、総務省もその五者のテーブルの中に入り七者になるのか、それとも、総務省はその会議のところには入らなくて、財務省が協議をされた後で、また、その前に総務省と一対一で協議をして、代表者として財務省だけその協議の場に行くのか、どっちなんですかということをお聞きしているんですよ。五者で行くのか、それとも総務省、地共済を入れて七者で行くのか、その協議はどうされるんですかということをお聞きしているわけですよ。だから、先ほど麻生大臣に助け舟を出していただいたんですが、七つですねということを確認させていただいたんですよ。七つでしょう。 ○谷垣国務大臣 まだその点は詰めておりません。ただ、先ほどから御答弁申し上げておりますように、地共済との調整というのは極めて大きなことであるというのは、委員がおっしゃるとおりでございます。 ○中村(哲)委員 まだ詰めていないから、地共済の方は、七つでやるか五つでやるか、参加させるかどうか、今の中では判断がつかないとおっしゃっているわけですね。それはどうかと思いますよ。(発言する者あり)違うんだったら違うと。七つで行くんですね。 ○麻生国務大臣 御心配いただいて恐縮ですけれども、無視されることはありませんよ。地共済はでかいんですから、それは無視されることなんか絶対ありませんから。だから、御心配いただいているのがその点だったら、ありませんと思いますが、七つで一緒にせえのでやるのか、個別にやるのかというところがまだ決まっていないという御答弁なんだと存じます。 ○中村(哲)委員 竹中大臣に認識していただきたいのは、尾辻大臣が先ほど最後に御答弁されたことというのは、これだけの内容のことが含まれているんです。だから、財政状況が似ているから簡単にできますということにはならないんですよ。構成比も似ているかもしれませんけれども、もらう金額も違うんです、公務員の場合は職域加算部分がありますからね。そこの整理もどうするのか、すごく大きな問題なんですよ。 二〇五〇年の日本という話を私よくするんですけれども、大臣がそのときに何歳になっておられるのか私は申し上げませんけれども、私は一九七一年生まれです。それで、二〇五〇年の日本というのは、実は一九七一年から七四年の世代が一番人口のこぶになる世代なんです。つまり、二〇五〇年の日本というのは、七十七歳の人たちが一番人口が多い、そんな世の中になるんです。だから、私たち若い世代は、そういった世の中になったときに、年金制度、社会保障の制度、どうしたら持続可能であるんだろう、世代間扶養だけじゃなくて、世代内でも扶養をしていく、働ける人間は七十、八十になっても働かなければ、弱者をきちんと保障していく、社会保障を維持させていくことはできない、そういうふうに考えているんです。 私は自分たちの世代の代表として国会議員になっていますから、この問題に関しては一刻も早く結論を出していかなければ、安心して将来の設計ができないですよ、私たちの世代というのは。だから、今の二十代、三十代というのは、今夢をなくしている世代になるんです。だから、こういった調整については一刻も早く急がないといけないということを申し上げているんです。わかったとうなずいていただいていますが、一言だけ、それでは答弁をいただきます。 ○竹中国務大臣 二〇五〇年、生きていれば私は九十九歳でありましょうから、私よりも二十年若い中村委員の世代にとって年金が大変重要だという、その問題意識を私も大変強く持っております。 私、決して、簡単にできるというふうに先ほど答弁はしておりません。前回に比べて困難性が低い面もあるかもしれないが、それでも大変複雑な制度で、だからしっかり協議をして、時間をかけてやっていかなきゃいけないんだという答弁をさせていただいたつもりでございます。これは、まさに枠組みを決めた後、しっかりと協議をしてまいりたいと思います。 ○中村(哲)委員 それだったら、議論が最初に戻ってしまうのです。 やはり大変なんでしょう。だから時間がかかるんですよ。だから、ちょっとでも早く、厚生労働大臣を初め年金担当者の皆さんと、いわゆる関係者の皆さんとこの協議をもっと内容的にも踏み込んでやらないといけないじゃないですかということを言っているんですよ。大変だから、時間がかかるんだから、そういうことを申し上げているんです。答弁が、内容が二転三転するものですから、もう本当に、ちゃんとしっかりと取り組んでください。 次の質問に移ります。 六月六日の伊藤忠治委員の質問の論点であります。公社法の二十四条問題についてであります。 日本郵政公社法の二十四条から二十七条に中期経営計画の規定があります。中期経営計画というものは、四年たったら今度は中期経営報告書というものをつくらないといけないということになっております。そのものは公表しないといけないという規定とともに、六十六条では、審議会に諮問しなければならない、そのことも規定をされておるところでございます。 さて、この点について、生田総裁は六月六日の伊藤忠治委員の質問に対して、二年ごとをフェーズ1、フェーズ2と分けて、しっかりとやっていこうと。その理由というのは、このようにおっしゃっているんですね。「私は、改革というのは、事業でも何でも、やると決めればできるだけ短期間に凝縮してやった方が、」「効果は早く出て、かつ、確実に達成できる、」こういった形で、生田総裁はフェーズ1と2と分けて改革に取り組んだことをおっしゃっているんです。その業績については、麻生大臣が、もう言うことない、そういった趣旨のことをおっしゃっているわけでございます。 そして、伊藤忠治委員はこのように締められているんですよ。「その途中にですよ、これが終わらない間にこの法案を審議して、それで民営化に持っていくということなんですよね。ちょっとこれは常軌を逸しているんじゃないか、物事の運びとして。私、そう思うんですよ。」とおっしゃっているんです。私もそう思います。 中期経営計画が、フェーズ1の終わったところにもかかわらず、この法案を出してくる正当性、法律上の根拠について教えてください。 ○竹中国務大臣 正当性と法律上の根拠ということでございますけれども、これは前半につきましては何度か御答弁をさせていただきましたように、やはり公社をめぐる、郵政をめぐる環境は劇的に変化をしているということであろうかと思います。 郵便については、生田総裁がDM等々を努力してふやしているにもかかわらず、それでも全体として毎年二ないし二・五%減少する。金融面では、金融革新によって民間の提供する金融サービスが広範かつ多様な展開を示している。そして物流では、国際物流、ドイツ、オランダで郵便会社による国際展開が進んでいる。やはり、劇的に展開している、そうした環境に適切に対応していく必要がある。 中期経営計画を見ても、今後の経営見通しはやはり楽観が許されない。生田総裁のもとで大変頑張っておられるけれども、それでもやはり状況は厳しい。それが基本的な認識のもとで、その上でやはり今の枠組みを、生田総裁の改革をさらに強化するためにも、これは民営化というものに踏み切りたいということでございます。 法的な根拠、枠組みということでございますが、郵政民営化関連法案は、日本郵政公社法の定める現行公社制度の枠組みを超えて、民営化による新たな枠組みを構築するものでございます。枠組みの変更でございます。この枠組みの変更について国会に御提出するに当たりまして、枠組みの定める中期経営目標の達成状況等々について、この評価等、結果を待たなければならないという拘束を受けるものではないというふうに考えております。 ちなみに、この公社、一期四年の中期経営計画が終了する平成十九年三月末の後に民営化により解散となりますけれども、現行公社法が求めている中期経営目標に係る業績評価は、これはしっかりと行う必要があると考えておりまして、郵政民営化関連法案においては、公社にかわって日本郵政株式会社が公社の中期経営報告書を出して、それを受けて、総務大臣による評価、審議会への諮問、その公表が行われるべきことを、この整備法の附則第三十一条、三十三条で規定をしているところでございます。 ○中村(哲)委員 いろいろと自分は正当性があるということをおっしゃっておりますけれども、私は、公社法のスキームが果たしてそういうふうな考え方に基づいてつくられているのかな、そういうことを考えるわけです。 では、極めて具体的に聞きましょう。日本郵政公社法第六十六条の柱書きにはこのようにあります。「総務大臣は、次に掲げる場合には、審議会等に諮問しなければならない。」それで、三号に「第二十七条第二項の規定による評価を行おうとするとき。」と書いております。 この条文の趣旨はどういう意味でしょうか。 ○麻生国務大臣 今のは公社法の話だと思いますが、御指摘のように、中期経営目標期間を終了後の業績評価というところだと思いますが、これは総務大臣はということになっておりますが、審議会等々のあれを得ねばならぬということなのであって、総務大臣は、よく内容やら何やらこの業績の評価をした上で、その内容につきまして、審議会等できちんと、第三者というか、公的な部分をもって評価させるということだと存じます。 ○中村(哲)委員 今、大臣がおっしゃったのが、第二十七条の規定にこうあるんですよね。第二項に、「総務大臣は、前項の公社の中期経営目標の達成状況について、評価を行わなければならない。」三項に、「総務大臣は、前項の評価を行ったときは、遅滞なく、公社に対し、当該評価の結果を通知するとともに、これを公表しなければならない。」このことをおっしゃったんです。 ここで考えなくちゃいけないのは、これは何のために評価をするのかということなんです。これは四年ごとですから、基本的に中期経営計画を立てて、それに基づいて、生田総裁に頑張っていただいて、フェーズ1と2という形で分けて集中的に改革を進められた。そして、四年後きちっと出てくるのが中期経営報告書というものなんですよね。それを総務大臣は評価する。それをきちっと評価するために審議会にかけてやる。それを受けて、それと同じ時期に次の四年間の中期経営計画をまた議論するというのが、これは法律に定められている、きちんと評価をして次の計画を立てる、そういったスキームの流れなんですよ。 そのことについて、それとの関係性において民営化法案がどういうふうな位置づけになっているんですかということを私は竹中大臣にお聞きしているんです。その点について、今おっしゃったことでは答えになっていないんですよ。この手続的なスキームとは全く別にやっても、私は新しい法案を出してきているのが問題ありませんとおっしゃっているんです。 だけれども、審議会のメンバーの方の中からは、こんな審議会をばかにした話はないともおっしゃっているんですね。毎年毎年の業績について審議会にもかけられているけれども、だけれども、その審議会にかけている先に、全く別なところから民営化法案が出てきている。こんなのは審議会の意味ないじゃないか、そういった声が出ているわけです。そこの整理について、どのようにされているのか。 私は、公社法のときに、非常に長時間、総務委員会で質問させていただきましたよ。一つ大きなきちっと完成されたスキームを公社法というのはつくったと思います。それを前提とするならば、少なくとも四年間の中期経営計画の達成状況を見た後で民営化するかどうかというのを考えるならわかりますけれども、全く竹中さんがおっしゃっていることというのは、骨格経営試算等に基づくマクロの数字で予測をして、それに基づいてメスを入れようとしているだけなんですよ。 生田総裁と、それなら、経営の結果がこうだから、やはりこのことをこう変えないといけない、だから民営化という議論はされていないじゃないですか。私たちも、議論がされるのであれば、中期経営計画に基づいて、それもさらに公社で、公社法の改正ではできない、そういうことをはっきりデータも提示していただいたら納得することができるんです。だけれども、そういった説明はないじゃないですか。それから、手順もそういうことの手続を踏んでいないじゃないですか。 だから、私たちが三年前に公社法で議論をさせていただいた、そういったことに関して尊重するお気持ちもないのじゃないかな。せっかくあれだけ議論をしてでき上がったのがこの公社法です。そこに対する尊重もないのじゃないかな、私はそのように考えているんです。多くの議員はそのように考えていると思います。 だからこそ、竹中大臣には、中期経営計画を配慮する形で、この民営化法案を提出することが、現行法の考え方に照らして、現行法の趣旨に照らして正当化されるんですかというわかりやすい説明を求めているわけです。それについて、先ほどおっしゃった答弁とは違う、今私が申し上げたことで御答弁いただけるのかどうなのか、いただけないのだったらもう答弁は結構ですから、その点、一言でもいいから御答弁いただきたいと思います。 ○竹中国務大臣 先ほどは、環境の変化の話と、そして枠組みを変えるんだ、しかし中期経営計画の評価については今度の整備法の附則できっちりやるんだ、そういうお話をさせていただきました。 それでは必ずしも不十分だというお尋ねだと思いますので、一点だけ申し添えさせていただきますが、今回の附則の三十一条で、「中期経営報告書の提出及びその公表については、日本郵政株式会社が従前の例により行うものとする。」従前の例というのは、まさに今の審議会等々のプロセス、そういうものを踏まえて行うという形にしておりますので、その意味では、今のシステムがそのまま評価につながるような、そういう配慮はさせていただいております。 恐らくもう一点、大きいところで、骨格経営試算そのものは、もうこれは出ているわけですから、その評価を待って、中期経営の報告を待ってやるべきだという点でもしございますれば、それは前半に申し上げましたように、やはり劇的に環境が変化している、その中で民営化に踏み切るという一つの判断、これはまさに政策の判断をさせていただいているということでございます。 ○中村(哲)委員 見通しというと、データを示して、説得的に示してくださいと申し上げているんですよ。 生田総裁にお聞きいたしますが、今まで一生懸命改革に取り組まれてまいりました。フェーズ1の結果というのは、麻生大臣が本当にすばらしいとおっしゃったぐらいすばらしい結果を残されたと思います。その中で、果たして本当に民営化しか先細りを解決する手段はないとお考えなのか。経営者として、公社形態のまま、公社法を改正することによって公社の収入源をふやしていくという手法は全くないとお考えになっているのか。現場の経営者としての御意見をお伺いいたします。 ○生田参考人 お答えします。 経営がうまくいっているかどうか、これは客観的に評価していただくことなので、私としては、自分の力では一生懸命やっているし、職員が本当によくやってくれている、こういうふうに考えております。さっき先生がおっしゃった、凝縮してやったら効果が早く大きく出る、同時に、私は痛みの総面積もそれが一番小さくなる、やはり働く人間の士気にかかわりますので、痛みの最小化ということもやっているということでちょっとつけ加えさせていただきます。 経営としては、二年ごとでフェーズ1、フェーズ2とやってきておりまして、フェーズ1は目的達成をしました。フェーズ2も与件が余り変わらなければ達成するだろうと思いますから、中期経営計画は多分できるだろうと思うし、利益計画上はもうほとんど達成した、こういうふうな感じで来ております。 これも既にもうお話ししたことがあるんだけれども、今の公社法のフレームワーク、それから社会規範の中では、短期はいいのですけれども、中長期的には、五年、十年という期間になると、三事業とも残念ながら目いっぱいになってきて、収益、利益ともに縮小傾向になってくる。したがって、私は、それに対して二つの方法がある、一つは民営化であろうし、一つは公社のまま大きく経営の自由度とビジネスモデルを開放するという公社法の改正があり得る、できるできないは別としまして、そのどっちかをとるかだけれども、どっちをとってそれをいつやるかは政治の御判断、こういうふうに言ってまいりました。 もちろん、公社の立場、公社というところに立って周りを眺めて、公社だけの都合を言わせていただければ、それは四年やらせていただいた方がすっきりしてわかりやすいということもあり得ると思います、そういう考え方は。だけれども、他方、今回の民営化の御論議というのは、公社の救済のための御論議じゃなくて、もっと大きい、天下国家の利益、例えば構造改革との一貫性とか、経済の活性化とか、財政再建とか、そういう大きな流れの中で来ているんだろうと思うので、その観点から見ると、早い方がいいというお考えもあるのかと思います。 したがって、そういう大きな視点に立ってのニーズ、それから公社の立場に立っていただいた、これは個別のミクロの立場になりますけれども、そのバランスを考えながら御判断いただくことこそが政治のお仕事だろうというふうに思っておりまして、私は現場監督みたいなものですから、現場監督としては、決まったらそれに向かって最善を期す。 ただし、最後に一言だけ加えさせていただくと、もし民営化の方法をとられるのであれば、国家の大きな目的と整合しながら、公社が持っております三つの経営ビジョン、国民の利便性、お客様によりよくサービスが提供できるようにというものと、事業の健全性、維持、成長し得るように、それから働く職員が、大きく雇用のことを尊重していただきながら、働きがいと将来展望を持てるようにというのが、公社のままでいるよりもより大きくそれが達成できるというふうな制度設計にしていただくということをお願いしまして、そのあとの時期、その他はぜひ政治でよくお考えいただきたいと思います。 ○中村(哲)委員 それでは、時間が参りました。 今の生田総裁の御答弁というのは、本当に言葉の裏を私も感じさせていただくと、もうこれは廃案しかないのかな、そういう受けとめをさせていただきました。ありがとうございました。 |