質疑一覧に戻る

2005年4月26日 
第162回国会 衆議院 決算行政監視委員会第四分科会
案件:平成十五年度一般会計歳入歳出決算、平成十五年度特別会計歳入歳出決算、平成十五年度国税収納金整理資金受払計算書、平成十五年度政府関係機関決算書、平成十五年度国有財産増減及び現在額総計算書、平成十五年度国有財産無償貸付状況総計算書(国土交通省所管及び住宅金融公庫)

[1]質疑内容   [2]質疑項目   [3]会議録抜粋


[1] 質疑内容(30分)


[2] 質疑項目

(1) 都市のヒートアイランド対策

(2) マンション(集合住宅)における外断熱の顕著な有効性

(3) シックハウス症候群の要因であるカビの研究の必要性

[3] 会議録抜粋 

○中村(哲)分科員

 民主党・無所属クラブの中村哲治でございます。

 京都議定書の批准を迎え、積極的な地球環境対策の政策が求められています。また、シックハウスなどの生活環境対策も求められております。

 本日は、そこで、マンションなどのコンクリート建造物における断熱のあり方、建築廃材をできるだけ出さないようにするための建造物の長寿命化、居住空間のいわゆるシックハウス対策など、集合住宅の環境対策において必要な政策についてお尋ねをさせていただきたいと思います。もちろん、一戸建ての住宅も非常に重要なんですけれども、集合住宅というのは都市再生でも非常にたくさん今も建築がされておりますので、この点について、きょうは中心にお尋ねをしたいということでございます。

 まず、都市における、人口密集地における問題についてお尋ねをいたします。

 ヒートアイランド現象と言われている都市の高熱化について対策をする必要があると私は考えております。屋上緑化やマンションなどのコンクリート建造物の外断熱化、このような政策が必要なのではないかと考えますが、国土交通省はいかがお考えでしょうか。

○中野大臣政務官

 現場主義の中村委員らしい御質問でございますけれども、近年、御存じのとおり、大都市を中心にヒートアイランド現象が顕著なものになっている。その緩和のための取り組みは、私たち国土交通省としても、政府全体としても重要な取り組みだと考えております。

 今、私どもの国土交通省におきましては、都市緑地法に基づいて、緑化地域において大規模敷地の建築物を対象に敷地の一部の緑化を義務づけることができるようにするなど、都市における緑化対策に精力的に取り組んでおるところであります。また、風通しや日陰の確保、あるいは人工排熱の抑制など、建築物の設計に当たって配慮すべき事項を取りまとめたガイドライン、それを昨年の七月に策定をいたして公表したところであります。

 さらに、外断熱化も含めて建築物の断熱性能の向上を図ることは、冷房に必要なエネルギーを減少させ、大気への排熱量を低減することを通じてヒートアイランド現象の緩和に貢献するものであることから、マンションなどのコンクリート建造物について、断熱性能の向上にさらに努めてまいりたい、こう考えておるところであります。

○中村(哲)分科員

 今中野政務官がおっしゃったことを私なりに理解させていただきますと、今おっしゃったことというのは、どちらかというと建物以外の緑地、緑化などを中心におっしゃったと思います。

 また、今、マンションのガイ断熱とおっしゃったと思うんですけれども、ソト断熱と一般には言われておりまして、私がなぜ外断熱を普及する必要があるのではないかと申し上げているのは、コンクリートに熱をためない、そういったことの仕組みが必要なんじゃないか、そのように考えているからなんです。もちろん、中野政務官がおっしゃったように、緑化自体も必要なんですよ。だけれども、コンクリート自体に熱をためないようにするような、そういう仕組みとして外断熱のことを申し上げましたし、屋上緑化のことも申し上げたんです。その論点を考えていただきたいんですが、いかがでしょうか。

○中野大臣政務官

 失礼しました。

 もちろん御指摘のとおりでございまして、外断熱にすることでそういう形になる、まさに委員の御指摘のとおりでございます。そういう認識でやっております。

○中村(哲)分科員

 もちろん、先ほどおっしゃったように、内断熱でも外断熱でも断熱という意味では変わらないですし、変わらないといいますか、冷房効率がいいという意味では、断熱性能ではかられるわけですから、それは変わらないというのはもちろんそうなんです。しかし、コンクリート建造物だから、外断熱ということにするとコンクリートに熱がたまらない、そういったことを指摘させていただきたかったわけですね。それを中野政務官に認めていただきましたので、次の質問に移りたいと思います。

 マンションの外断熱化というのは、躯体を外気にさらさないために、マンションを高寿命化、長寿命にするということがあると思っているんですが、いかがでしょうか。建築廃材をこれから出していかない、そういったことをするためには、やはり躯体を長もちさせる。そのためにも、断熱材を外に出してくるんだ方が長寿命化するだろうということで、この政策を推し進めていく必要があるのではないかと思っているんですが、いかがなお考えでしょうか。

○中野大臣政務官

 御指摘のとおり、建築廃材をできるだけ出さないようにするためにも、マンションの長寿命化を図ることは重要なテーマだと思っております。

 一般的に、外断熱工法に関しては、施工が複雑であるとか、あるいは建築コストが割高であるという問題点も指摘されていますけれども、一方で、内断熱工法と比べて、躯体の外側に断熱材を施工するため、先ほどからお話がありましたように、外気の温度変化が躯体に伝わりにくい、それから劣化しにくいという特性がありますから、マンションの長寿命化を図るという点から評価できるものと考えております。まして環境その他の面からも、建築廃材の問題についてはいろいろ喧伝されるところでもありますから、なおさらそうだと私たちは受けとめております。

    〔主査退席、後藤主査代理着席〕

○中村(哲)分科員

 今中野政務官がおっしゃったとおり、外断熱のメリットとして、長寿命化というのがあるんですね。確かに今おっしゃったように、コストは少し高いんです。今でも全体で建築コストが一割程度は高いと言われているんですけれども、その分、一割どころではなくて長寿命化、内断熱の普通のコンクリート建造物に比べて五割とか十割分長ければ、コストがそれだけかかっても、実は社会的にはペイするわけですよね。

 今、特に関西なんかはまだまだつくられないんですけれども、何でつくられないのかというと資金繰りの問題で、当初からそういうふうなことをやっても、まあ、ちょっと最初のお金が高いからやめておこうか、そういうふうにどうしてもなってしまうんですね。ここは力を入れるというか、国として、こういう建物のロングライフ化をやっていくんだよ、そのために政策を徹底していく、外断熱はそこに位置づけられるよということを認識していただいて、また政策に生かしていただきたいと考えているんですけれども、その御認識はいただけますでしょうか。

○中野大臣政務官

 まさに初期投資が高いんでありますけれども、将来のランニングコスト、あるいは廃材という観点からする環境のことを考えても、社会的なコストはまごう方なく安く済むと思います。

 これからも、PRその他を含めて、せっかくの御提言でありますから、しっかり受けとめながら頑張りたいと思います。

○中村(哲)分科員

 ありがとうございます。

 それでは、次に、健康面について伺います。

 私は、昨年八月に、ドイツの研究所を視察してまいりました。フラウンホーファー研究所という研究所でございます。VOCなどで日本に先行して研究をしてきた研究所でありまして、日本のはやりというかそういう、いわゆるシックハウス対策の政策というのは、こういうドイツみたいな先進国を後追いしているという形になっていると私は認識しております。

 そこで、今フラウンホーファー研究所でやっている研究で、カビの研究があったんですね。日本はまだカビの研究をそんなにしていないということなんですけれども、どういった条件に置いたらカビが発生するのかということを、条件をいろいろ決めてやっているわけです。内断熱の場合だと、これぐらいカビがこういう条件で生えていくとか、そういうこともやっているわけですね。

 ドイツはほとんどもう、御存じのとおり外断熱の住宅ばかりなので、内断熱ということは健康に悪いから絶対させないということを言っているんですけれども、研究のために、内断熱はどれぐらい影響があるのかということもしているということなんですが、私は、日本でもこういったカビの研究をするべきだと考えております。カビの発生する構造的な条件などの研究について、これから日本はどのように取り組んでいくお考えでしょうか。

○中野大臣政務官 お話しのとおり、私たちは、カビの発生に関して、使用材料とかあるいは居住者の住まい方の問題など検討すべき課題が多いことも理解はいたしております。

 ちなみに、平成十七年度予算で、住宅のカビやダニの発生要因にかかわる調査などに必要な経費を計上しているところでもありまして、関係省庁との連携を図りながら、カビの発生条件や、あるいはそれに対する必要な対策については検討を進めてまいりたいと考えております。

 また、カビの発生の主要な要因の一つである結露、それを防止するためには、断熱性能を向上させる、あるいは適切に換気を行うことが非常に大切ですけれども、こうした建築物の構造の問題以外にも、先ほど申し上げましたように、使用材料や居住者の住まい方の問題など研究すべき課題も多いと認識もいたしておるところであります。

○中村(哲)分科員

 住まい方という話もあるんですけれども、やはり構造上の問題というのがかなりあると思うんですね。北海道の方の体験談で、外断熱のマンションに入った瞬間に、今まで内断熱のマンションだったらすぐ出ていたアレルギー反応が全く出なくなったと。そういった人にとっては外断熱住宅というのは命にかえがたいものだから、そういったマンションを北海道の方が選んだりされておるんですけれども。そういったところで、このカビ、特に、何で自分がアレルギーなんだろうとわからない人もいらっしゃるんですね、本当はカビが原因で。

 カビが与える健康に対する影響というのは国土交通省の研究される領域ではないということは存じ上げていますけれども、どういったところではカビが生える可能性があって、アレルギー反応が出たときに、ああ、こういった場合には実は結露が起こっていて、カビが原因なんじゃないか、そういうこともわかるような、そういう社会的な認識というのも必要なんじゃないかなと考えているところでございますので、そこはしっかりとやっていただくということで、関係省庁と連携していただくということでよろしいですね。(中野大臣政務官「問題ないです、はい」と呼ぶ)当然だと言っていただきましたので、次に移ります。

 この三月に、私は長野県の飯田市に行ってまいりました。何をしに行ったかといいますと、特別養護老人ホームが外断熱でつくられたということで、それを視察してまいりました。

 小雪が舞うときに、建物の中に入ると非常に暖かいんです。部屋一つ一つに温度計がついておりまして、大体十六度ぐらいを示しておりました。つまり、暖房を全く入れなくても、人が入ったりすることによってということもあるんでしょうけれども、それだけ暖かい温度を保っている。実際、話を聞きますと、施工している、内装をされている業者の皆さんが、これは本当に暖かいなということをおっしゃっていたというふうに聞いております。

 私は、お年寄りが入られる住宅をこういった暖かい住宅にすることはとてもいいことだなと思っております。そして、外断熱住宅というのはコンクリートの建物全体を断熱材で囲いますから、居室から廊下に出ても、またトイレに行っても、ほとんど温度差がないというメリットがあるわけですね。こういった、いわゆるお年寄りが受けるヒートショック、温度差が生じることで心臓発作などいろいろな悪いことが起きるわけですけれども、その対策になるのではないかと考えております。この点についていかがお考えでしょうか。

○中野大臣政務官

 御指摘のとおり、急激な温度変化が体に影響を与えるヒートショックを防ぐためには、住まいの中の温度差を少なくする必要があり、そのためには住宅の断熱性能を向上させて、外気温の影響を受けにくくすることが有効な対策の一つだと思います。

 こうした観点からは、外断熱工法及び内断熱工法のいずれも住宅全体を断熱構造化するものであり、ヒートショック対策にも資するものであることは間違いありません。

 今後とも、いずれにしても、外断熱工法も含め住宅の断熱性能の向上に努めてまいりたい。それは考えて、しっかり頑張ります。

○中村(哲)分科員

 中野政務官おっしゃったこと、内断熱でも外断熱でも断熱性能を高めていく、そこは私は何も反対しないですし、そのとおりだと思っているんです。

 ただ、例えばトイレを内断熱でやろうと思ってもなかなか難しい。トイレに入った瞬間に、ああ、寒いなと思ってしまう住宅が、じゃ、内断熱化によって本当にしっかりできるのかといったときに、外断熱の方がしやすいのじゃないかなと考えているんですよ。そこを質問させていただいたわけなんです。

 その点について、もし答えられたらお答えください。

○中野大臣政務官

 外断熱の方がいいというイメージは私も理解はしておりますけれども、専門的な形で、例えば、住まいの内側何度、廊下何度、トイレ何度、そういう専門的なことだと参考人から答弁させた方がいいかと思いますけれども、基本的にはそう理解をいたしておるところです。

○山本(繁)政府参考人

 断熱水準ごとに住戸内の温度差がどういうふうにあるかというのを国土交通省でシミュレーションしたものがございます。五十五年基準、四年基準、それから十一年基準、こうありますけれども、一番直近の十一年基準ですと、暖房時の暖房をした部屋と暖房していない部屋の差が四度C程度におさまるようにということでございます。それから、外気温と非暖房室、今例に出ました外気温とトイレならトイレの室温の差、六度C前後というふうに設定しております。

 それで、断熱性能が高いかどうかによって、暖房した部屋、暖房していない部屋、外気、どういうふうな差があるかといいますと、もちろん、断熱性能が低いと、暖房室と外気は同じところなんですけれども、非暖房室の温度が下がってしまう。それで、断熱性能が高ければ非暖房室と外気の差は非常に大きい。逆に言いますと、暖房しているところと暖房していないところの差はそんなに大きくないということになっておりまして、私どもがそのシミュレーションで整理しております限りでは、そういう意味の、おうちの中の暖房室と非暖房室の温度の差は、外暖房であるか内暖房であるかによって有意な差はないというふうに理解しているところでございます。

○中村(哲)分科員

 最後、外暖房か内暖房かとおっしゃったのは、多分言い間違いをされたんだと思います。外断熱と内断熱ですね。(山本(繁)政府参考人「はい」と呼ぶ)

 施工をきっちりやっていれば同じ性能が出るように基準がつくられているわけですが、それは当たり前のことで、それは私、わかっているんです。ただ、おふろやトイレを内断熱化でしっかり断熱するというのは本当にしやすいのかなと。結局なかなかできないんじゃないかなということがありますので、違って考える必要があるんじゃないかということをお聞きしたんですね。恐らくそれは納得していただけると思うんです。今おっしゃったことは、きちっと同じように断熱したらという話ですから。

 私は、内断熱の場合だったら、トイレとかおふろとかはしにくいんじゃないですかということを申し上げたわけです。そこは納得していただけますよね。

○中野大臣政務官

 そういった水回りのところなどなおさら御指摘のとおりかなと、個人的には納得しております。

○中村(哲)分科員

 だから、建物全体をくるんだ方が暖かくなるんじゃないですかということを申し上げているわけですね。これは戸建て住宅の充てん工法での断熱材でも同じことが言えるんですけれども、その点について納得していただいたということで、次の質問に入らせていただきたいと思います。

 こういったことで、外断熱住宅、コンクリート建造物のという前提はつけますけれども、コンクリート建造物に対して外断熱化していくということは非常にいろいろなメリットがあるということが今までの議論でわかったと思います。しかし、実際には余り普及をしておりません。公営住宅で、和歌山県高野町、また兵庫県豊岡市というような先進事例はありますが、余り広まっているわけではありません。

 こういった先進的な事例に関してはきちんと評価をしていく必要があるのではないかと思っております。もちろん、国土交通省がパイロット事業という形でされて評価する形もあると思います。また、議員会館の建て直し、これからされるというふうに聞いておりますけれども、こういったことについても私は外断熱でやる方がいいのではないかなとは思っております。

 また、住宅ということになると、災害時の避難場所、学校や体育館、また仮設住宅、官舎、そういったものがあると思います。そういったいろいろなものに対してどういう形で外断熱が行われているのか、それはどういうふうに評価できるのか、こういった情報を広めていく必要があると考えておりますが、これに対して国土交通省はいかに取り組んでいかれるおつもりなのでしょうか。

○中野大臣政務官

 ずっとお話をいただくとおり、住宅の断熱性能の向上を図るためには、断熱の意義あるいは効果、施工方法などについて、消費者でありますとか住宅供給者等、広く社会に普及させていくことは非常に重要だと思います。やはり住宅の断熱構造化を進める観点から、私たちもパンフレットの作成あるいは配布、省エネ住宅の設計・施工技術講習の開催などを進めてきているところではあります。

 また、これまで、住宅金融公庫融資における優遇措置などによって住宅の省エネ化の促進化に取り組んできたところであり、さらに、一定規模以上の住宅について省エネ措置の届け出を義務づけるなどの対策の強化を図るため、省エネ法の一部改正法案を経済産業省と連携して本通常国会に提出をいたしております。

 今後とも、こういった施策に取り組みながら、先進的な取り組みの把握にさらに努めて、広く情報提供などもいたしまして、住宅の断熱性能の向上、その推進ということについて意を用いてまいりたいと思います。

    〔後藤主査代理退席、主査着席〕

○中村(哲)分科員

 今のお話は、特に外断熱ということではないけれども、先進的な事例についてはきちんと広めていくというお話でしたので、それは受けとめさせていただきます。

 一つ政務官にも大臣にも知っておいていただきたいのは、新聞記事の御紹介をさせていただきたいんです。和歌山県の高野町の公営住宅の件なんですけれども、外断熱で補修をしたんですね。住んでいる状態で、結露もひどかったし寒い、そこを外断熱の素材でぐるっと囲んで補修をしたんです。そうすると、住んでいる人がのかなくていいわけですね、それできちっとできた。その後、ただの外壁の塗りかえだと思っていたら、あったかくなったしうれしいな、そういう話があるんです。でも、恐らく、きょうここにいらっしゃる皆さんはほとんど、ああ、そんなことが公営住宅の補修でされていたのかということで、御存じでない方がたくさんいらっしゃると思うんですよ。そういった意味で、ああ、こういうふうな施工の方法があって、公営住宅がまた快適に過ごせるような住宅になる、そういったこともきちんと広めていただくということが必要なんじゃないかと考えておるわけでございます。

 いかがですか。

○中野大臣政務官

 今、和歌山県の事例を挙げていただきましたけれども、コストといいますか、施工費の対比とかは書いていなかったんですか。施工の経費とかそういう紹介まではありませんでしたか。内断熱にすれば幾らとか、この工法でやったらこれぐらいだとかという紹介もありませんでしたか。(中村(哲)分科員「ありません、新聞記事では」と呼ぶ)

 どうあれ、住まいをされる方の結局は快適性が基本でありますから、今までと違って、全くわからない、恐らく塗装工事程度に思っていた案件がそういう形で、外断熱で大変に今までと比べて快適性を増してきた、そういった生活者の御意見というのは、やはり管理者といいますか、住宅供給者側はしっかり受けとめるべきだと思います。

 ありがとうございます。

○中村(哲)分科員

 時間が少なくなってまいりましたので、最後に大臣にお聞かせいただきたいと思いますけれども、こういった、今まで検討してきたように、コンクリート建造物における断熱方法に焦点を当てて考えてみた場合に、外断熱工法は内断熱工法と比べてさまざまな、少しずつですけれどもメリットがあるというふうに言えると思います。

 しかし、大臣が御存じのとおり、内断熱と外断熱、九九対一ぐらいの割合でしかない。そこは、私は、外断熱がすべての面においてすぐれていると言うつもりはないんですが、少なくとも半々ぐらいはつくられてもいいんじゃないかなということを考えておるんですけれども、そういった御認識をお持ちなのかどうか、最後にお尋ねしたいと思います。

○北側国務大臣

 正直申し上げまして、外断熱のメリットというのは、きょうの委員の御質問、また質疑を通しながら私も勉強させていただきました。まずは断熱性のある建物をつくることが大事である、そのことが地球の温暖化防止にも資していくことだというふうに考えているところでございます。

 ただ、今委員のおっしゃったように、外断熱の方が建物の劣化がしにくいだとか、一たん暖まると冷めにくいだとか、そうした非常にすぐれたメリットがあるということはよくわかりました。やはりそういうところをしっかり消費者の方々にPR、宣伝をしていくことは非常に重要であると思います。

 また一面、私が聞いたところでは、二、三割ぐらいコストが高いというふうにも聞いておりまして、このコストをもう少し抑制することができないのかどうか、そうした研究も必要だろうなというふうに思った感想を持ちました。

○山名主査

 中村哲治君、時間ですので簡潔に。

○中村(哲)分科員

 はい、時間が参りましたので終わりますが、コストの面に関しては今も日々進んでおりまして、一割程度、それも乾式なのか湿式なのかというのでも変わってくるんですが、時間がないので終わります。こんな結露が起こってカビがいっぱい生えている住宅を出さないためにも、御検討くださいますようよろしくお願いいたします。ありがとうございました。


▲up

質疑一覧に戻る